住吉神社の三神 表筒男命 中筒男命 底筒男命と龍神の関係

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住吉神社
住吉神社

住吉神社は、元々は小禄間切儀間村に所在した神社ですが、現在は那覇市の山下西公園奥にあります。

住吉神社は本土にもあり、沖縄と同様に住吉三神が祀られています。

住吉神社の由来

住吉神社は、那覇港南岸の末吉森に社殿を造営し、三百数十年にわたり垣花三町民および県民が守って来ましたが、沖縄戦において社殿は滅失し、米軍の港湾工事で末吉森と共に海没してしまいました。

そのため、かつて存在した湖城村、儀間村、住吉町の御嶽と共に山下町にまとめて移転されていましたが、1982年に現在の場所に拝殿が造営されました。

神社の左側には、住吉神社の由来を記した石碑があります。

住吉神社の神体は石で元々は儀間村にありました。農業を推奨した儀間 真常(ぎま しんじょう)という人物が1611年に薩摩から帰郷した際に航海安全の守護神として屋良座森(やらざむい)という地に祀ったのが始まりとされています。後にその場所は住吉森(すみよしむい)と呼ばれました。1659年に老朽した為に真常の孫が再興し、1696年には拝殿も建てられましたが沖縄戦で破壊しました。その後住吉村は軍港を造る為に接収されてしまいました。昭和28年に現在の場所に祠が設置され、昭和57年に再建されました。現在の住吉神社には表筒男命(うわつつおのみこと)、中筒男命(なかつつおのみこと)、底筒男命(そこつつおのみこと)が祀られています。

住吉神社
合祀されている御嶽
住吉神社
合祀されている御嶽

現在の住吉神社の境内には、山下町に移転した他の御嶽も鎮座しています。

住吉神社の主祭神

住吉神社
住吉神社

境内の奥に住吉神社があります。

主祭神の住吉三神である、

表筒男命(うわつつのおのみこと)
中筒男命(なかつつのをのみこと)
底筒男命(そこつつのをのみこと)

は、沖縄の神世2代の龍神、

【表筒男命】天風龍大御神(あまふうりゅうおおかみ)

  ?天風龍大御神はこちらです。

【中筒男命】天火龍大御神(あまひりゅうおおかみ)

  ?天火龍大御神はこちらです。

【底筒男命】天水龍大御神(あますいりゅうおおかみ)

  ?天水龍大御神はこちらです。

のことです。

沖宮の住吉神社も住吉三神が祀られています。

住吉三神の誕生神話

住吉三神は、伊邪那岐命が黄泉の穢れを落とす「禊祓みそぎはらえ」のなかで誕生しました。住吉三神は、航海の安全を守り、導く海の神です。

綿津見三神も、同時に生まれており、こちらも海の神になります。そして、その前には伊邪那岐命・伊邪那美命の神生みの段にて、家宅六神の次に大綿津見神が生まれています。

黄泉から辛うじて逃げ帰ってきた伊弉諾尊。

「私は今しがた何とも嫌な見る目もひどい穢けがらわしい所に行ってしまっていたものだ。だから我が身についた穢けがれを洗い去ろう。」と激しく後悔、そこで筑紫つくしの日向ひむかの小戸をどの橘たちばなの檍原あはぎはらに至って、禊祓みそぎはらえをします。

また海の底に沈んで濯いだ。これによって神を生んだ。名を底津少童命と言う。次に底筒男命。また潮の中に潜ってすすいだ。これに因って神を生んだ。名を中津少童命と言う。次に中筒男命。また潮の上に浮いて濯いだ。これに因って神を生んだ。名を表津少童命と言う。次に表筒男命。これらを合わせて九柱の神である。その中の底筒男命・中筒男命・表筒男命は、これが住吉大神すみのえのおおかみである。底津少童命、中津少童命、表津少童命は、安曇連あずみのむらじらが祭る神である。

『日本書紀』巻一(神代上)第五段〔一書6〕

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