沖縄の海人(うみんちゅ)である船長は、どの船長も「沖縄の海はみんなのものさ~」と言います。しかし、日本本土から来ているダイビング船の船長を持つダイビングショップは、少し意識が違うみたいです。
ダイビングポイント争奪戦
ある日、ホテルから海人の船長の船に乗り、米軍の基地がある離島のポイントへ連れて行ってもらいました。そのポイントは米軍の演習がお休みの日曜日の昼しか潜ることができないレアなポイントです。
そして潜り終えた頃、ダイビングショップの船が現れてこちらを睨んでいます。
船長に話を聞くと、「この島のポイントは島のショップがブイを落としてる。島に宿泊せずに船で来て潜られたら困る。ここは俺たちのポイントだ。」と言ってダイビングスーツのネームを見てホテルにクレームの電話を入れたのでした。
海人とダイビングショップの力関係
離島の漁業組合とも繋がりが強い海人相手にケンカをしかけるなんて無謀です。
海人と船を持つダイビングショップの力関係はどうなっているのでしょうか。ここでは、海人ではない人が船長のダイビングショップのことです。
「沖縄の海はみんなの海よ。海人がどこで潜ろうが関係ないさ~。海人>ショップという力関係も判らんよそ者がクレーム入れおって。そもそも、いろんなポイントを開拓したのはうちらさ~、あとでしっかりと言っとくさ~」
と笑っていましたが、とても憤慨しているように見えました。きっと私達が乗っていなければ怖い沖縄弁でまくしたてるでしょう。
海人の船長は、ダイビングポイントにいくつものブイを入れていますが、それを他のショップが使おうとも怒ることはありません。
ダイビングポイントは海人が開拓した
どこでもダイビングして良いわけではなくダイビングポイントは決められています。
海人には漁場があり、そのポイントには決してダイバーを潜らせることはありません。
そして今あるダイビングポイントは、海人が漁で潜りながら長年をかけて沖縄への観光客誘致のために開拓してきたものなのです。
でも、そんなダイビングポイントを自分達だけのポイントと考えるショップがあるのは事実です。
私は沖縄のダイビング環境を作ってくれた海人に敬意を払えないショップは好きではありませんので海人の船にしか乗りません。
海人は、ポイントに他の船がいるときは波を立てないように近づき、波を立てないように去ってゆきます。また我先にということもありません。しかし悪名高いショップは、周りに他の船が居ようがお構いなく全速で接近してきて大波をたて、周りの船は激しく揺れることになります。
みんなの海なので、海人達には暗黙のマナーがあるのです。
まとめ
自分のお客さんのダイバーには愛想が良いかもしれませんが、人間性が垣間見える、そんなちょっとしたショップの行動もチェックしてみてはいかがでしょうか。
「沖縄の海はみんなの海さ~」という船長の言葉がとても重く感じます。
ダイビングポイントは、特定のショップのものではなくみんなのものなのです。
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