「今月は生活費が苦しいから電話代は後で払おう。」
固定電話であれば、電話料金を何か月か滞納すると回線が止められることになる。そして滞納分の支払いを済ませると回線が回復し、それ以上のペナルティはない。
だが、スマホの場合は事情が異なる。
割賦購入したスマホ料金を滞納すると、すぐに回線が止められ、おまけにブラックリストに載ることになる。
それは、スマホが年々高額になり一括支払いで手に入れることが難しくなったため、割賦販売と言われる販売方法が主流になったことによる。
端末代金は月々の利用料と共に請求される
割賦販売により、月々のスマホ利用料金と合わせて、機種代金を24回、48回と分割して支払ってゆく。月々の支払いを滞納することは、利用料金を支払わないばかりではなく、端末代金も滞納していることになる。
固定電話、ガス、電気などは利用料金を払わなければ止められるだけだが、割賦購入したスマホ代を支払わないと回線が止められるだけでは終わらない。
月額料金の中に端末代金が含まれていることがポイントだ。スマホという商品を購入するにあたり分割ローンを組んでいるということを忘れてはいけない。
若者がこの仕組みをよく理解せず、スマホの月額利用料というだけの認識で支払いを怠ると、金融事故として個人の信用情報機関に登録され、スマホの機種変更時はおろか、いざという時に必要な他のローンも組めなくなるという事が増えているのだ。
割賦情報は個人信用情報機関に登録される
スマホを一括購入する場合は審査はない。しかし、スマホを割賦購入する場合は、新規契約や機種変更のどちらでも審査があり信用情報機関に登録される。
NTTドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯会社は、2010年に施行された「改正割賦販売法」により個人信用情報機関に登録するようになった。
個人信用情報機関とは、個人のクレジットカードやローンなどの利用履歴、それにともなう個人情報(住所・氏名・年齢など)が登録されている機関である。
信用情報機関に登録されるということは、支払いの履歴を見ることで、その人が信用するに値する人なのかどうかを見ているということだ。
信用情報に問題ありと判断された場合はスマホの割賦購入ができなくなる。
CICに登録している携帯会社
- NTTドコモ(docomo)
- KDDI(au)
- ソフトバンク(SoftBank)
CICは主にクレジットカード会社系が登録している信用情報機関
JICCに登録している携帯会社
- ソフトバンク(SoftBank)
JICCは主に消費者金融系が登録している信用情報機関
スマホ購入時の審査で落ちる人
割賦購入したスマホの料金を滞納中
新しい機種に機種変更しようとしても、今持っている割賦購入したスマホの料金を滞納中であれば審査に通らない。
過去にスマホの料金を滞納したことがある
携帯会社は審査の際に過去の支払履歴を見る。現在はちゃんと支払っていても、過去に滞納したことがある人は審査で不利になる。
1回支払いが遅れたくらいでは問題はないが、支払いの督促状が送られてからしか支払わなかったりすると審査に通らなくなる。
過去にスマホを強制解約されたことがある
支払いの督促が来ても支払いを怠り、スマホ契約を強制的に解約された人は割賦でスマホを買うのは難しい。
前の機種の割賦残高がある
端末代金自体が高額になっているので、同時に割賦契約ができるのは2台目ほどだろう。
たとえ1台であっても、24回、48回などの割賦購入の残債が残ったまま機種変更を行う場合で支払い履歴に問題があれば、前機種の残債を一括清算しないと新たな割賦購入ができないこともある。
ブラックリストに登録されている
実際にブラックリストというものは存在しないが、信用情報機関に金融事故情報が登録されることをブラックリストに載るという。
他のローン支払いを怠ったりして信用情報機関にその情報が登録されている場合は割賦購入はできない。
自己破産などの債務整理を行った
債務整理の情報は信用情報機関に金融事故情報として登録されている場合は割賦購入は難しい。
スマホ購入時の審査で落ちる理由
考えられる理由は3つある。
1つは滞納で、信用情報機関のブラックリストには載っていないが携帯会社内でのブラック顧客になっているケース。もう1つは、滞納を繰り返したことで信用情報機関のブラックリストに載っているケース。最後はホワイトと呼ばれるケースだ。
携帯会社内でのブラック顧客
携帯会社内でのブラック顧客になっている場合、未納の情報は携帯会社間で共有されているので他の携帯会社でも割賦購入は難しい。
未納分はちゃんと清算して一括払いでスマホを購入するしかないだろう。
信用情報機関のブラックリスト
信用情報機関の金融事故情報は、債務整理は事実の発生日から5年、滞納は完済日から5年たてば自動的に消える。
この5年間は、スマホの割賦契約の他、クレジットカード、銀行のローン、家のローン、車のローンなどを組むことも難しい。
ホワイト
社会の中での個人の信用度合いは良好な支払い履歴ではかられる。その個人信用情報に何も記載がないことをホワイトと呼ぶ。
ローンというものを組んだことがない人や、金融事故でクレジットカードなどを利用できない期間が長かった人がそれにあたる。
もし、20歳そこそこでホワイトであれば問題なくスマホを割賦購入できるだろう。しかし30歳、40歳になって利用履歴がないということは、何か問題があったのではと思われてしまうのだ。
この場合、取得しやすいクレジットカードを作ることでクレジットヒストリーを構築することができればスマホの割賦購入も可能になるだろう。
滞納していないのに審査に通らない
スマホ料金の滞納がないのに割賦審査に通らない人は、すでに他の要因で自分の信用情報に傷がついている可能性があるので自分の信用情報を確認する必要がある。
自分の信用情報を調べる
CIC、JICCの公式サイトで情報開示ができる。
手数料として500円~1,000円ほどが必要になる。
まとめ
「スマホの割賦購入ができなくなるということは、将来、家や車のローンも組めなくなる。」