水泳クラブの移籍トラブルはパワハラのレスリング界と似ている。
「移籍を希望する水泳クラブの体験」のはずが「移籍トラブルを体験」し、あまりにもコケにされたので100倍返ししたという話(前編)である。
水泳クラブの悪しき移籍マナーに従わない
地域の水泳クラブ同士には繋がりがあるため、選手を盗った盗られたなどのトラブルに巻き込まれることに気をつけなければならない。
通常、水泳クラブを移籍する際に気をつけないといけないことは、
に書いてみた。
移籍トラブルに巻き込まれることを敬遠し、所属先のコーチからの電話や推薦状などがないと選手を受け入れない水泳クラブもある。それ故、まずは所属水泳クラブのコーチに移籍を相談して了解してもらうなどの段階を踏む。
だが本来、選手たちは水泳クラブに会費を払って通っているのだから、退会しようが移籍しようが選手たちの思いのままに行動すればよいことだと思う。体験で良い水泳クラブだと思って中に入ったら全然違ったということはあるのだ。コーチとの相性もコーチングを受けてみないとわからない。
しかし、1回水泳クラブに所属してしまうと所属先のコーチが選手の移籍を阻止したりコントロールしようとする。移籍について暗黙の悪しきマナーが存在する日本の水泳界のシステムは、昨今パワハラで問題のレスリング界と同じである。
そもそも移籍マナーとは、自分から良い選手を逃がさないようにと悪しきコーチたちが考えたことだ。良いコーチであるならば移籍したいと思う選手はいないだろう。
今回の移籍では水泳界がレスリング界と同じかどうかの検証の意味も含め、移籍にあたっては自分たちが思うがままに行動する。でも、それが普通で当たり前のことだと思う。
手持ちのジョーカーは2枚
今回の移籍で移籍マナーに沿わずトラブルになった時に使えるジョーカーは2枚ある。
それは単なる地域の水泳クラブ同士の繋がりを超えたものだ。しかし、子供には実力で這い上がって欲しいので今所属している水泳クラブでも口にしたことはない。だが、とんでもない仕打ちを受けることがあればジョーカーを使わないといけないだろう。
移籍先に考えたのは父が立ち上げに関わった水泳クラブである。隣の市にあるので少し通うのに時間がかかるのだがプール環境が良い。
父は水泳クラブの親会社の社長と親交が深く、社長が水泳クラブの事業を立ち上げた時に良いコーチを集めることに尽力したらしい。結果、早い選手を輩出し有名クラブに成長を遂げたのだが、その全盛期を支えたコーチ陣はもういない過去の栄光クラブだ。
じいちゃんが立ち上げに関わったクラブに移籍しようと思うんだけど、社長に聞いてみてくれる?
孫がいるのでじいちゃんと呼ぶ。
そうか、孫があのプールで泳ぐのか。あそこは泳ぎやすいプールだよ。
初めは良いコーチばかりを集めたんじゃがもうおらん。今はどんなコーチがおるかは知らんが、ありのままの姿を見た方が良いから、社長には言わない方がいいだろう。
移籍したら孫がお世話になるみたいじゃと挨拶するよ。
そうだね、とりあえず体験に行ってみる。
選手コースの体験
所属クラブには移籍を考えているのでいろいろ体験に行くと言う話だけはしておいた。
早速、移籍先に希望している水泳クラブの選手コースに体験を申し込む。
今の水泳クラブの水深が低くて泳ぎにくいので移籍を考えてるんです。飛び込んだら目の前が床だったり、ターンしてから床に膝があたったりして体格的に限界を感じてるんです。今は市民プールで泳いだりすることも多いんですよ。
そうですか。市民プールに行くならうちのクラブに来て泳げばいいじゃないですか。体験に来られたらどうですか?
よろしくお願いします。何か持って行った方が良いものがありますか?
移籍に選手登録の番号が必要になります。あと、本人に何個か質問します。今のタイムを言えるようにしておいてください。
電話での感触は上々、コーチの感じも良い印象だ。
いつでも体験に来てよいと言うので、名前と現所属を伝えて体験日を決めた。
体験のはずが見学に
3日後の体験日、水泳クラブに電話を入れる。
今日はよろしくお願いします。
今日は見学してもらうので水着は必要ありません。6時30分頃に来ていただければお話できると思います。
見学?ですか。。わかりました。では、6時30分頃に伺います。
来られたら受付で名前を言って頂ければわかるようにしておきますので、自由に見学してください。
3日前の話では体験ということだったが、今日は何故か見学と言われることに違和感を覚えながら水泳クラブに向かった。
6時30分前に水泳クラブに着き、受付で名前を告げると観覧席に通される。しばらくすると1人のコーチが現れた。見た目30代後半か。するとこちらを気にすることもなく、他の親とたわいもない会話を始める。
7時になってもそのコーチと親の会話は続いている。
電話で話したのはあのコーチではないんだな。まだ電話で話したコーチは忙しいのだろう。
と考えていると、親と談笑していたコーチが寄ってきた。
ええっ!あなただったの?30分も知らん顔をしておいて何か感じわる。
こんばんは、どなたからの紹介で来られましたか?
いえ、紹介ではありません。
そうですか、今から練習が始まりますので自由に見学してください。練習途中で黙って帰られても結構です。もし最後までいるようでしたら、またお話することもあるかもしれません。
勝手に見て勝手に帰れとは何とも失礼な物言いだ。初めの電話での対応とは全然違う。お話しすることもあるかもって、それはないかもしれないってこと?
他の親との談笑に30分、私のところに来て1分。
意味が分からないまま練習を最後まで見学することにした。
練習の終わりに始まったバトル
2時間の練習が終わるまで観覧席から練習風景を見ていた。とりあえず他の水泳クラブのメニューなど参考になることはいろいろあった。
良い刺激ってなんですか?
練習が終わるとコーチが観覧席に現れる。そしてまた先ほどの親と談笑を始める。
ああ、これはわざとだな。
また30分経った頃にやっと話が終わり、コーチがこちらにやってくる。
どうですか?最後まで見られたのですね。良い刺激になりましたか?実は、私はお宅のコーチを知っているんですよ。
この一言で大体の事情がわかった。
私が体験をお願いした後に所属先のコーチと話したところ、「その選手は移籍させたくないので受け入れないで欲しい」とでも言われたのだろう。
だから適当に扱って怒って帰ってもらいたいのだ。
今が時期じゃない
今日は初めは体験というお話でしたが。。
今が時期ではないと思うんですよ。良い刺激になったでしょう。これでまた頑張れますね。
移籍を受け入れないってことですか?
受け入れないとは言ってません。故障しているんですよね。しっかり治さないと健康でもきつい練習ですから。
故障!?別に故障してませんが。
痛いのはしっかと治さないと、今が時期じゃないと思うのです。
故障しているのは誰?
やはりそうだ。私は痛いところがあるなど言っていない。きっと所属先のコーチが何か変なことを言っているのだ。
痛み!?成長痛は時々ありますが、故障ではなく健康そのものです。受け入れないって話ですよね。
いいえ、受け入れないとは言ってません。これだけの体格なら高校に入ったら他のクラブからも誘いがかかるかもしれないじゃないですか。柔道とかレスリングとか野球とか。筋肉も肥大してるんですよね。今が時期じゃないと思うんですよ。
言われていることがさっぱり理解できませんが、水泳選手を目指して練習しており、筋肉も肥大なんかしていませんよ。普通の成長をしているだけです。きっと、それは所属先のコーチと何か話をされたってことですね。
いいえ、私は話をしていません。ここのプールが良いから来られたんですよね。コーチがいいから来られたんじゃない。僕とやっていけるのかな?
と息子に聞く、
コーチと合うかどうかそれはわかりません。コーチと会ったのは今日が初めてですから。
練習はきついぞ。今日の練習は楽なんです。回れるのかな?いつもどの位泳いでるの?
毎日5、6,000は泳いでいます。
・・・
コーチから見てついていけるかどうかは体験させてみないとわかりませんよね。大体、この子の泳ぎも見てないからレベルも判らないじゃないですか。
じゃあ、体験してみます?でも体験するには所属先のコーチと話し合ってもらってからでないとプールには入れることはできないなあ。
突っこまれるとすぐに話題をすり替える。「私は話していない」とは、「私以外の誰かが話をしたよ」と言っているようなものだ。
コーチ、コーチと子供と親にペコペコされ、偉くなったと勘違いしている俺様系コーチで、嘘をつくのは下手なタイプ。
話をしている時に目線も合わそうとしないので実は小心者なのかもしれない。
地元の水泳界が最も活気に溢れた古い時代
コーチがいいか悪いかは見学じゃなく中に入ってみないとわかりませんよね。それに水泳クラブを選ぶときにプール設備で選ぶのは当たり前ですよね。コーチのことは全然知りませんから。そしてこのプールを選んだのには理由があるんです。父がこのプールが出来た時に携わり社長とも親交があったので。
社長?そんなことは水泳クラブと全然関係ありません。とにかく所属先のコーチとゆっくり話をしてみてはどうですか?上司が関係性を気にする人なので、それがうちの方針です。
つまり、上司が所属先のコーチと話をして、そのコーチが首を縦に振らないから受け入れないって話ですよね。
いいえ、受け入れないとは言ってません。今が時期じゃないと思うんですよ。
断ったっていう形ではなく諦めさせたいのだろう。
何回もコーチが使う「今が時期じゃない」という言葉の意味を考える。
所属先のコーチが、育ててきた結果を見たいから今はまだ手放したくないとでも言っているってことなのか?
とりあえず、ここはもう一つ反撃のネタを振っておくことにする。
今の所属に残ることは考えていません。○○さんからもこの子には水泳を続けさせてあげなさいって言われています、良い環境で泳がせてあげたいのです。
○○さんが?
ただの個人にそんなことを言ったんですか?
ふんっ!
プールの水深がなくて泳ぎにくいのは難儀ですねぇ。泳ぐプールが無いのは不憫だなぁ。そりゃ可哀そうだ。また相談は受けますよ。いつでも相談して下さい。
○○さんとはお偉いさんのことなのだが、なんと鼻で笑われてしまう。
私が嘘を言ってるとでも思っているのだろう。
嫌味というかもう嫌がらせのレベル。練習が終わってから2時間が経とうとしている。今から帰っても家に着く頃は夜中の12時だ。
もうこれ以上話をしても堂々巡りで埒が明かない。初見の失礼な30代男にコケにされ怒りはMAXに達しようとしていた。
まあ、父のことと○○さんのことには触れておいたので仕込みはOKだ。
わかりました、もういいです。
と話をやめて帰宅した。
きっと、相手コーチは「諦めてくれてよかった」と安心していることだろう。
所属先のコーチも「ほら、勝手には移籍できないぞ」とでも思っているだろう。
しかし、「地元の水泳界が最も活気に溢れた古い時代」を知らないコーチ達が犯した過ちはとても大きなものだった。
その時代の話を聞けるコーチも少ないと思う。選手コースは体験できなかったが、コーチにはとても良い貴重な体験を提供してあげたと思っている。
つづきは後編で。
まとめ
「水泳クラブ同士の繋がりを気にする前に人と人の繋がりを考えよう。」
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