アメリカン・エキスプレスは10月2日に都内で会見を開き、2018年10月15日から発行する新プラチナカードのサービス概要を紹介しました。
アメリカン・エキスプレスのプラチナカード
アメリカン・エキスプレスのプラチナカードは1984年に米国でサービス開始し、日本では1992年にサービスを開始しています。
部屋のアップグレードなど世界中のホテル/リゾートにおける特典や、チケット/レストランの予約といった手配を個別に行なうコンシェルジュの設置など、カード保有者へのサービスが手厚いことで知られるクレジットカードで年会費は13万円+税になります。
持てるかどうかはライフスタイル次第
通常、プラチナカードを取得するには、そのカードブランドのゴールドカードを保有し、一定額以上の利用があった人に対して、カード会社が招待するという流れになります。
しかし、アメリカン・エキスプレスの新プラチナカードは、カード会社から招待に加えて、既存会員や提携金融機関による紹介、対面営業、専門の問い合わせ窓口でも取得できるようになったのです。
事前にアメリカン・エキスプレスのゴールドカードを保有する必要はありません。新しい基準はプラチナカードを持ってもらうにふさわしいライフスタイルを送っている人なのです。
この「ふさわしいライフスタイル」には、次の3パターンがあります。
グローバルに活動している人
この場合、総合商社や外資系企業の人を指しているわけではなく、余生にLCC(格安航空会社)で何度も海外旅行に出かけるシニアも対象です。LCCは空港ラウンジを持っていないので、プラチナカードとの相性が良いのです。
多忙を極めるビジネスパーソン
たとえば、プライベートの旅行でホテルを予約した場合、格安プランで予約すると、1ヵ月前からキャンセル料がかかるケースもあります。ところが、アメックスのプラチナカードを使えば、さまざまな特典が付いたうえで、ホテルの正規予約と同じポリシーで、期近まで手数料なしでキャンセルできます。急な予定変更でも心配する必要がありません。
クレジットカードを「人生を豊かにするための投資」と考える人
かつては招待制の閉ざされたクレジットカードであり、カード保有者には社会的なステータスを求めていた側面が強かったという反省から、逆にどうすればカードの価値を見いだしてもらえるか検証する狙いがあるようです。
アメリカン・エキスプレス新プラチナカードのサービス
新カードに込めたメッセージは、「現代の本当の豊かさとは、限られた時間を“より一層”豊かにできるような体験を得ること」です。
新プラチナカードには、さまざまなサービスが用意されています。
材質がプラスチックから金属に変更
新サービスでは、まずプラチナ・カードの「メタルカード化」を実施します。
発行は10月15日からで、既存会員も申し込めばメタルカードへ切り換えることができます。
アメリカン・エキスプレスでは、これまでも最上位カードのセンチュリオンではメタルカードを採用してきました。それをプラチナカードにも拡大して、「真のプラチナカードはこれだけ」という思いを込めたといいます。
券面は、従来のプラスチックカードにあった表面のカード番号や姓名、カード期限の刻印を廃止し、裏面に彫り込む仕様になるようです。家族カードは4枚まで無料発行できますが、メタルカードは本会員の1枚のみです。
地下鉄も改札にかざすだけで乗車
コンタクトレス決済の国際規格を完全準拠しており、ロンドンの地下鉄であれば現地で乗車券を買うことなくプラチナカードを改札にかざすだけで通れる仕組みになっています。
「センチュリオン・ラウンジ」が利用できる
アメリカン・エキスプレスが運営する会員専用の空港ラウンジ「センチュリオン・ラウンジ」を無料で利用できます。本会員、家族会員に加えて、それぞれの同伴者にも適用されます。
センチュリオン・ラウンジは米国を中心に9か所(ヒューストン、シアトル、サンフランシスコ、ラスベガス、ダラス、マイアミ、ニューヨーク(ラガーディア)、フィラデルフィア、香港)で展開しており、著名シェフによる料理やバーの提供、リラクゼーションスペースやキッズスペースなどを設けています。
なお、センチュリオン・ラウンジは2019年にニューヨーク(JFK)とロサンゼルスにも新設される予定です。
ホテルのオリジナル特典
宿泊では、アメリカン・エキスプレスが毎年厳選した1000軒以上のホテルで特典を提供する「ファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)」が用意されています。
プラチナカード会員なら、対象施設で「16時までのレイトチェックアウト」「2名までの朝食サービス」「館内で使用できる100ドルのホテルクレジット」「部屋のアップグレード」「12時からのアーリーチェックイン」「ホテルのオリジナル特典」といったサービスを受けられます。アメリカン・エキスプレスが2016年に米国で調査をしたところ、このサービスを受けて2泊した場合、「約6万円分の価値が見いだせた」といいます。
国内施設では「アンダーズ東京」「パレスホテル東京」「ザ・リッツ・カールトン東京」「セントレジスホテル大阪」などがあります。
FHRの対象施設は、利用者への聞き取りやアメリカン・エキスプレス職員の調査によってサービスの状況を追跡しており、例えば「16時までのレイトチェックアウト」「2名までの朝食サービス」などは「部屋に空きがあれば」といった条件付きではなく、確実に履行されるサービスになります。
ほかにも、「スターウッド・プリファード・ゲスト ゴールドエリート」「ヒルトン・オナーズ ゴールド会員」「ゴールデンサークル ジェイド会員」「Radisson Rewards ゴールド会員」など、通常は年間数十回以上の宿泊などが条件になっている大手ホテルチェーンの上級会員資格も、プラチナカードを所有するだけで獲得できます。
予約が困難な人気レストランでのイベント
レストランでは、日本国内の予約の取れないレストラン(年間約50店舗)を同社が貸し切り、カード会員向けに案内する「Fine Dining 50」や、国内約200のレストランで2名以上で予約すると1名分のコース料金が無料になる「2for1 ダイニング by 招待日和」などのサービスがあります。
日常利用での特典
日常的な利用シーンでは、前述したコンシェルジュのほか、主要オンラインストアや海外での(外貨)利用でポイントが3倍になる「ボーナス・ポイント」、会員のための先行チケット販売「アメリカン・エキスプレス Invites」、各種旅行保険/ゴルフ保険などが付帯します。
プラチナカード更新時の特典
プラチナカードを1年以上保有し、更新時に年会費を払った会員には、年に1回、国内ホテルの1泊2人分の無料宿泊券がプレゼントされます。頻繁に国内外に旅行に出かける人にとっては、メリットが大きいでしょう。
アメリカン・エキスプレスが日本で最初にプラチナカードを提供してから今年で25周年になります。プラチナカードのサービスはこれまで詳細をあまり明らかにしていませんでしたが、オープンなプラチナカードへ大きく方針を転換したことになります。