自動車運転過失傷害事件 第2回公判 被告人質問
裁判官からの質問
(裁判官)裁判官もちょっと言わして下さいね、5月12日の何度も出てくる実況見分なんだけども、あんた、横断歩道上の事故じゃないんだということをね、警察官に説明したんだ。
― えーと、今まさに通行を始めているA子さんを横断歩道で横断しているにも関わらず、そこに私が衝突したわけではありませんという主張はしました。
(裁判官)そういう主張をしなきゃいけないっていう、あせりみたいなものがありました?
― あせりといいますか、私は運転者として私が捉えておる事実を私の言葉で言わないといけないという想いはありました。
それは、わたしはすべきことだと思いますので・・・
(裁判官)今現在のね、ちなみにもう出て来てはいるんだけど、横断歩道上の事故であったということについては、これはよろしいの?
― 結構です、どういう形態をとったかは・・
(裁判官)それは、保険会社の説明を聞いて、証拠を改めて見てと言う事なんですか?
― 接触部分は横断歩道の上であったという認識は持っています、私は通行していて、直進した時に漫然と交差点に進入し、右にハンドルを危ないと思って切った時にぶつかった所が横断歩道上だったのだと今は捉えています、逃げたいと思いましたもの・・
(裁判官)あなたの車は右の方に行ってるから、それはもういいですよ。
代理人の方も随分気にしておられるようだけど、保険会社の人からいろいろ言われたりしました?あなたの運転の仕方だとか、どこでぶつかったかによって随分、要するに保険会社が払う保険料が変わってくるんですよみたいな話とかは?
― 言われていません。
(裁判官)そういうことは言われていない。
― はい
(裁判官)過失割合とか説明されたりとかはありましたか?
― 10:0ではないでしょう程度しか言われていません。
先程言われたように時速が変わればあなたの責任が変わるなんて一切ありません。
(裁判官)何度も出て来ているんだけど、6月30日の1時間30分の電話ってのありますよね、これって、あなたの記憶で、1時間30分ってかなり長電話なんだけれども、しかも赤の他人に対するものだからね、同じこと何回も言っている感じですかね?
― そうだったかもしれません。
(裁判官)たぶん、1時間30分も話そうにも、おそらくね、ネタがそんなには無いと思うから、それなりに同じことを繰返すことになる感じかなと思うんだけれども。
何が言いたかったの?1時間30分、自分ばかりが悪者じゃないんだって感じですか?
― ・・・
(裁判官)子供さんに対する配慮っていうのは、裁判所は否定する気はないので。
― もし、何かあれば私に言って欲しかったということを主張したと思います
直接私にどんどん言って欲しかったといいますか、それが一番・・
(裁判官)今となってみれば、そういう言動というのも、当然お宅のお子さんにも非があるだろうと、こういうダイレクトな刃となって突き刺さるであろうということはわかりますかね?
― 今はわかります。
(裁判官)しかも、もともと自動車対自転車の事故ですよ、しかも、自分と相手に生じた違いというか、あなたはそれこそ気持ち的にはダメージ受けているかもしれないけど、傍目に見ればピンピンして、はっきり言って言いたい時には言いたいことを訴えることができる立場にいる、ところが、相手の方はそうじゃないってことはわかりますよね。
そういう結果の違いというか、そういったものをもう少し直視するべきだったかなとは思いますかね。
― ・・・
(裁判官)これは確認ですけど、車を運転するものとして、左右の見通しが効かない状況で、横断歩道が設けられていると、これは要するに絶対大丈夫とか、そういうのはもともとあり得ないわけですから、見えないわけですから、ブラインドになって、やはり基本的にはもう被告人の過失による所が大きいというのは判りますね。
― 判ります。
(裁判官からの質問終了)
実録 交通事故刑事裁判 第3回公判につづく