水泳クラブを震撼させたバトルカード売買事件簿

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南国気分

水泳大会のトップシーズンを終えてひと段落した日常練習の最中、水泳クラブを震撼させる事件が発覚する。水泳クラブに所属する選手が、バトルカード売買で万単位の利益を上げていたのだ。

観覧席に漂う異様な雰囲気

今日はやけに保護者の人数が多いな。きっと親も来シーズンに向けて選手に発破をかけているのだろう。

普段は、私の他に1名程しかいないのだが、今日は8名程おり大盛況である。

Bチームは20人程で、中学生と小学生が在籍している。もうしばらくすると、Bチームの練習が終わりAチームの練習が始まる。保護者もそろそろ引き上げていく時間だ。

さてと、私はAチームの練習をのんびりと静かに見守るとするか。

しかし、Bチームの保護者たちは一向に帰る様子がない。すると、そこにコーチが現れてその輪に加わった。

深刻そうな雰囲気が漂う。今まで見たことのない光景だ。

すると、1人のお母さんの大きな声が聞こえてくる。

小学校からはこっぴどく怒られました。だから中学校に電話して、中学生をこちらのエリアに来させるな!って言ってやったんです!

同じ学区で行動制限は無理だと思うけど、これはただ事ではない予感。

なんで小学生チームに中学生がいるんですか!

そのチームは、Bチームであって小学生チームではありませんよ~。中学生でも遅いからBチームにいるのです。

なんでお金が取られた時に辞めさせなかったのですか!

なるほど、何人もの選手の財布からお金が消えた事件のことにも関係するのね。またあいつらが関わっているんだ。

彼を辞めさせないのなら、うちの息子を辞めさせようと思っています!

はったり攻撃だ。でも、辞めないでとは言わないと思うけど。

そして、コーチが口を開く、

辞めさせろというのなら、同じことをした他の子も辞めてもらうことになりますよ。

・・・

ええっ、あなたの子供も一緒に何かやったの?

バトルカード売買事件

時間が経つにつれ事情が明らかになってきた。

水泳クラブのBチームに所属する選手が、水泳クラブ内でバトルカード売買をやっていたのだ。しかし、ただの売買ではなく、プレミアカードの斡旋販売、もしくは売りつけたのではないのか?と疑われるような内容と大きな金額らしい。

主犯格はBチームの3人

主犯格は、中学生1人と小学6年生の2人。

小学生の2人はBチームで1番目と2番目に早い子たちでコーチも力を入れている子。そしてリーダ格の中学生はコーチに反抗して目をつけられている子で、しかも水泳クラブ内で何回も人の財布からお金を頂いたことがある要注意人物である。

この中学生は学校内外でも度々倫理的な問題を起こす。息子が水泳クラブ内であっても完全に交流を絶っているワルなのだ。

彼がワルなのは小学生も当たり前に知っていること。それなのに、その中学生と小学生がつるんでいたのだ。

これは驚きだった。

地域の小学校へも波及

売買は水泳クラブ内から始まり、水泳クラブの子供が通っている4地区の小学校の他の子供達に広まっていった。

バトルカードをこのグループから1人で5万円くらい買った子供もいるそうだ。

きっと小学校で問題が発覚し、たどり着いたのが水泳クラブなのだろう。

バトルカードの売買総額は100万円を超える?

小学校と中学校の調査によると売買総額は100万円規模になるという。

バトルカードの売買で利益を上げるということは、プレミアカードの斡旋なのだろうか。そして余程の量を売らないと100万円という金額にはならない。

バトルカードを買ってもプレミアカードが含まれていることはまれである。ということは、万引き行為などによりプレミアカードだけを集めて雑魚カードは処分していたことは容易に考えられることだ。

しかし、これだけ広範囲で行われているとなれば、クラブ、小学校、中学校が真相を究明するのは至難の業であり、どこも究明には消極的だ。

水泳クラブはリーダー格を強制退会に

コーチと親との話し合いの結果、その中で一番のリーダー格であった中学生1人が、水泳クラブを強制退会させられることになった。

水泳クラブ内での盗難事件と今回の事件を考えると見過ごせなかったということだ。

小学6年生の2人は、

中学生からやれと言われて怖かった。

と言っていると親が言うので、今回の件はおとがめなしになった。

でも、普段の練習では中学生と仲良く過ごしていたし、体格的に見ても、この中学生より背が高い。今更「怖かった」は、ありえない。この小学生2人も水泳クラブ内でのいじめを主導するワルなのだ。

コーチは、親が子供をかばうことで問題が更に複雑化しているという。でも買わされた者が被害届を出せばと考えると、内心はビクビクしているかもしれない。

しかし、これで終わりではない。今回の売買事件を掘り下げていくと、万引きや強要などに発展する可能性があることは関係者のみんなが感じている。そして、一度味をしめた者は同じことを繰り返さないとは限らない。

親グループは分裂の危機

水泳クラブの親グループには派閥が存在している。この事件の影響は親グループにも波及することになる。

事件に関与する小学生の親は、他の小学生の親を含めた8名ほどの派閥の一員だったが、その日以降、派閥が2~3人のグループに分かれるようになっていた。

ある日、その派閥のボス的存在が派閥の1人とこっそり話をしている。

いくら中学生が怖かったって言っても、あんなことをして平気で水泳クラブに来れるなんて。気が知れないわ。お家柄もよくないしね。

今後も波乱の予感がする。

でもひとつだけ言えることは、水泳に真剣に取り組む者は、そのトラブルの渦中にいないということだ。

まとめ

「トラブルメーカーは、何時になってもトラブルメーカーである。」

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