水泳クラブの練習でタイムを縮めるための取り組み方

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南国気分

私は毎日水泳クラブに通っている、と言っても観覧である。

初めて見る水泳クラブの練習には、「流石に水泳クラブの練習は凄いな、いけすの中の魚が暴れているようだ」と思った。だが、それも回数を重ねると次第に目が肥えてくる。

そして最近は、水泳クラブの選手たちの練習を見ていて思うことがある。

「その練習の取り組みでタイムが縮まると思うのか」

ということである。

メニューはこなして当たり前

水泳クラブによって練習メニューは異なるが、通常、アップから始まり、メイン、ダウンで終わる。練習を見ていると、みんなタイムを計るメインは全力で泳ぐが、それまでは力を温存してメニューをこなしている。フィンやパドル、サークルの練習の時には本気度が足りていない。

練習が終わってよく聞く言葉は、「今日のメニューはしんどかった」、「今日のメニューは楽だった」という言葉だ。

ただ単にメニューをこなす練習に陥ってはいないだろうか。

年齢別で見る取り組み方の違い

小学生の時は早かったが中学生になって伸び悩んでいる。そんな選手たちは数多い。

しかし小学生と中学生、高校生の練習姿勢を見ているとあることに気が付く。

小学生の練習の特徴

小学生は、どのメニューに対しても我武者羅に取り組む。必死の泳ぎである。まだ手加減ということを知らないのだ。だから、少しずつでも早くなる。

問題は、まだフォームを意識して泳いでいないことだ。本来はこの時期に理想のフォームを身に着けるべきである。

中学生の練習の特徴

これが中学生の練習になってくると、力が強くなり、力の泳ぎができることで余裕も生まれる。そして、メニューの合間で手加減し、メインのみで良いタイムを出そうという邪険な心も現れる。

この時期は、小学生の時のような我武者羅な泳ぎではなく、理想のフォームを意識することや体格の変化に合わせてフォームの改善をする必要がある。

高校生の練習の特徴

高校生の練習も中学生と同じである。

ターンひとつ取っても気合が入ったターンではなく、ゆっくりと回ったりする。手を抜けるところで上手く手を抜いているのだ。その時の7割泳ぎのフォームと、実際にメインで泳ぐ10割泳ぎのフォームは全然違うものになる。

高校生にもなると筋力は向上し、力で泳ぐ選手が増えてくる。だが、力で泳ぐことと、力強く泳ぐことは違う。理想的なフォームが身についていないのだ。

どのメニューにも全力でぶつかれ

理想のフォームで早く泳ぐ、当たり前のことだが一番難しいことだ。ゆっくり泳ぐときはいくらフォームが綺麗でくせや無駄がなくても、早く泳げばフォームが崩れるのでは意味がない。

早く泳げるようになることは、全力の状態で理想のフォームで泳げるということ。1~2時間の全ての練習メニューに全力でぶつかれる位でなければトップ選手のような泳ぎはできない。

「早く泳ぐときだけは全力」、「このメニューは少し遅めに」、そんなことを考えてはいないだろうか。

マラソンにしてもそうだ。自分が楽に走れる速さでいくら走っていても、そのペースで走れる距離は長くなるに違いないが、それを超える速さで走ることはできない。

自分が楽に泳げるピッチを続けても、距離は泳げるようになるかもしれないが、自分を超えるタイムを出すことはできないだろう。

トップ選手の練習

トップ選手の練習は、1本1本が自分との真剣勝負である。1本終われば、息も上がってとても苦そうだ。それでもまた全力で次の1本に入ってゆく。

でも、このようなハングリーな練習姿勢を水泳クラブで見ることはなかなかできない。それが、タイムが思うように上がらない要因だと思うのだ。

練習に慣れ、メニューに慣れ、自身を追い込むことを忘れている。

全力で他の選手の先を行け

同じレベルの者同士が隣コースになり同時にスタートする。いくら練習であっても、負けるものかというオーラで泳いでいる選手はいない。

練習でも、1本1本が真剣勝負なのだ。練習でも自分に勝てない者に表彰台に上る力はない。

トップ選手の練習はそんなに楽なものではない、それに近づくためには、水泳クラブの他の選手と同じように泳いでいてはその域に達することはできないだろう。

私の水泳の練習に対する考え方

私が思うことは少しコーチと違う。

1本1本、全力で取り組め。

周りが流していても全力で泳げ。そしてフォームは崩すな。

メインでは、1、2本目のタイムを揃える気持ちで泳げ。そして、最後は苦しくてもタイムを上げていけ。ひとりだけ、ずっと全力で泳いでるとからかわれてもいいじゃないか。小学生の時の無我無心で泳いでいたことを思い出せ。

毎回それを続けることで、必ず次の段階に到達することができるし、能力の向上を実感できるときがすぐに来る。早くなるのはメニューがあるからではない、自分をどこまで追い込めるかによってのみ自分を超えることができるのだ。自分の限界は自分で決めるな。自分の限界を繰り返すことでのみ、限界を超える新たな力を手にすることができるのだ。

筋肉も同じような負荷をかけていても成長しない、それ以上の筋肉をつけるには徐々に負荷をあげないといけない。水泳では、出せる力すべてを出して泳ぎ切るということだ。その考え方は、水泳でも陸上でもトレーニングでも同じだと思う。

そして、疲れが溜まり気力が減退するより、休みたいときはしっかりと休んで気力を充実させればいい。あせる必要はない、人間は一度覚えた自分の筋肉の最高の動きは一生忘れるものではないからだ。ただし、筋肉の維持のトレーニングは必要である。

まとめ

「練習は大会だと思え、大会は練習だと思え。」

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