水泳選手が水泳クラブを移籍する時のマナーとは

この記事は約6分で読めます。
南国気分

水泳選手が水泳クラブを移籍することは選手生命を左右する問題にもなる。水泳クラブに所属することにより水泳連盟に選手登録ができ水泳大会に出場することが可能になるのだ。

水泳選手として活躍する間、同じ水泳クラブに所属するのであれば問題にならないが、家庭の事情や個人的な事情により、水泳クラブを移籍することが必要になる時もある。

このようなとき、どのように行動すれば水泳クラブの移籍トラブルに巻き込まれないかについて経験から考えてみたい。

地域の水泳クラブは繋がりがある

地域のそれぞれのクラブは独立しているが、全ての水泳クラブは水泳連盟に加盟している。

コーチ同士は競技会で顔を合わせることも多く水泳クラブ同士の繋がりは強いので、選手を取った、取られたという水泳クラブ同士の問題に発展することをお互いが懸念している。

今はまだ開花していなくても、将来性が見込める選手の移籍はなおさらである。

水泳クラブを移籍することが本当に最善なのかを考えよう

「あそこの水泳クラブには早い選手が多いから。」

「この水泳クラブでタイムが伸びないから。」

という理由だけで簡単に移籍を考えることはお勧めしない。

知らない選手のグループの中に飛び込んで行くストレスや練習内容、コーチの指導方法など練習を取り巻く環境がガラッと変わってしまう。

選手は誰でもプライドがある。元の水泳クラブでは1番初めを泳いでいたとしても、新しい水泳クラブでは1番初めに泳ぐことは叶わないかもしれない。1から時間をかけて自分の立ち位置を再構築していかなければならない。こういった事は選手のストレスに繋がる。

一般的には半年間のタイムロスが発生するとも言われる移籍は、数年先を見越して自分にとって最善かどうかをよく考える必要がある。

水泳クラブの名前だけで移籍先を決めない

オリンピック選手を輩出している水泳クラブに移籍したいと考える人も多いが、それを一番の理由として移籍先を決めるのは危険なことである。

大手クラブの場合、「オリンピック選手を輩出している」という理由で所属している人も多く、1レーンあたり20人以上で練習することも珍しくない。泳いでいる時間を計ってみたら、1時間練習であっても実質30分しか泳げていないということになり得る。

そのような中でトップ選手に育つことは容易なことではない。選手の人数が圧倒的に多いからたまたまオリンピック選手が出てきたのだ。

水泳クラブの移籍をスムーズに行うには

移籍を決めても行動は慎重に

移籍を考えている場合、絶対に水泳クラブの中では他人に話してはいけない。

スムーズな移籍を進めるには、水泳クラブ同士が連携していることを踏まえて、ちゃんとした段階を進む必要がある。

水泳クラブ移籍後も、大会では頻繁に移籍元のクラブと顔を合わせることになる。移籍トラブルに巻き込まれてしまうと肩身が狭い思いをするのは選手なのだ。

ママ友に話したばかりに、知らない間にコーチに伝わってしまうことは良くあるので注意が必要だ。

移籍する具体的な理由を明確にする

移籍したところで、プールの広さ、練習のメニューなどは、水泳クラブにより大きく変わることはないだろう。だが、練習器具、ユニフォーム、水着などはすべて買い直しになる。

それだけの投資をしても移籍するメリットが大きいかということも考えないといけない。

例えば、人数が多すぎることで自分が満足する練習量が期待できないなど、自分の努力でどうしようもない問題があり、移籍することでしか解決に至らないのかどうかが一番大切なことである。

リサーチから始めよう

移籍先の水泳クラブを選ぶには、家から水泳クラブまでの交通、駐車場の有無や台数、練習の時間帯、休館日など、さまざまな側面からリサーチする。

ほとんどの情報は水泳クラブのホームページから入手できるだろう。

しかし、実際に練習時間に間に合うように家を出ても、交通渋滞が多く思った時間に到着できないことや、駐車場はあるが絶対数が足りておらず近隣のパーキングも無いなど、行ってみないとわからないこともあるので注意が必要だ。

現水泳クラブのコーチに相談する

希望する移籍先が見つかったとしても、すぐに移籍先クラブに電話をしてはいけない。まずは現水泳クラブのコーチに移籍の相談をすることだ。

コーチに遺留されることもあるが、移籍したい理由などを話し合うことで、きっと「今の選手のレベルで移籍できるであろう水泳クラブ」を紹介してくれるだろう。

リサーチした水泳クラブがその中に入っていれば良いが、選手の実力を考えると移籍出来ない可能性もある。コーチは地域の水泳クラブの事情をよく知っているのだ。

移籍したい水泳クラブを体験する

コーチが進める移籍先に体験に行こう。

新しいコーチとの相性、水泳クラブの雰囲気など、実際に練習の輪の中に入ってみないとわからないこともある。

現水泳クラブのコーチと移籍の調整

移籍先が決まったら、現水泳クラブにいつまで在籍していつから移籍するのかをコーチと相談して決めよう。

移籍時によくある大会エントリーのトラブル

通常、大会へのエントリーは1ヶ月以上前に行われる。

早く移籍したいがためにクラブの退会手順を守らずに退会すると、移籍元の水泳クラブで、すでにエントリーしている大会に出場できなくなったりすることがある。

これは、移籍後に新しい所属の水泳クラブが水泳連盟に所属変更届を出してくれることで所属クラブが変更されるのだが、すでにエントリーしているものについては所属クラブの変更はされないことになっている。

旧水泳クラブからエントリーしている大会への出場は諦めるか、旧水泳クラブから大会に出場することを許してもらうなどの調整が必要になる。

水泳クラブの退会ルールを守る

コーチに移籍の了解を得られれば水泳クラブの退会手続きをとることになる。

通常は、水泳クラブに退会届を提出するのは1ヶ月前であることが多い。会費の引き落とし手続きのためだ。すぐにでも新しいクラブに行きたい気持ちは押さえ、円満に退会することを心がけよう。

移籍後も旧水泳クラブのコーチと良好な関係を築こう

同じ地域の水泳クラブでは、大会に出ると選手控え席が隣のブロックだったりすることもある。そんな時に気まずいことにならないよう、旧コーチに顔を合わせることがあれば挨拶してずっと良好な関係を築いてゆきたいものだ。

移籍することは悪いことではない、選手が自由に水泳クラブを選べば良いのだ。

それまで見ていてくれたコーチは、たとえ他の水泳クラブに移籍したとしても、きっとその後の成長を楽しみにしてくれているはずだ。

実際に起きた移籍トラブルとは。

まとめ

「今の水泳クラブに限界を感じた時は移籍するのもひとつの道である。」

コメント