医師の診察を受けて処方箋をもらうと薬局に行き薬を処方してもらう。昔の薬局では、薬の内容と服薬時間を15秒程簡単に説明され、すぐに薬を渡してくれた。
だが、今の薬局はそうではない。処方箋を渡したあとは、薬剤師の問診攻めの時間をクリアしないと薬を手にすることはできない。
薬局での2回目の診察
まず、薬局に着くと問診票を書くことから始まる。名前、住所、電話番号、病歴、アレルギー、ジェネリック医薬品に同意するかといった内容だ。
保険証も提出しているのに、名前や住所、電話番号を聞かれるということは、レセプトの他に顧客データとして別管理されているということだ。
そしてそのデータを使い、薬局からの案内状や年賀状が届いたりする。きっと個人情報の利用目的では営業活動が盛り込まれているのだろう。
問診票を出すと、矢継ぎ早にいろいろ質問をされる。
今日はどうされましたか?
いつからですか?
症状はどんな感じですか?
熱は何℃ありますか?
せきはでますか?
お薬手帳は持っていますか?
質問される内容は、先ほど医師の診察で説明したことばかり。いや、たぶん医師よりも多く聞かれるような気がする。薬をもらいに薬局へ来たつもりが2件目の病院へ来たのかと思ってしまうほどである。
病院での診察も終わり、「あとは薬をもらって帰って早く飲もう」と考えている身にとって、このやりとりはとても鬱陶しい。歳を取ったのか同じやりとりを短時間の間に繰り返すということに耐えられなくなっている。
薬局でそう感じるようになったのは、ちょうどジェネリック医薬品が出てきたあたりからか?
同じ薬局に行っても毎回同じように問診されるので、最近では同じ薬局には行かず、うるさくない薬局を探して彷徨う、薬局ジプシーになってしまった。もう昔のようなサラッとした対応の薬局は絶滅したのだろうか。
なぜ薬局で医師と同じことをするのか
一応、なぜ薬局が医師と同じようなことを聞くようになったのかは理解している。
薬局では、くすりの誤った使用を防ぐため、薬剤師が患者さんに使用方法や副作用を説明する役割も重視している。例えば、以前にお薬で副作用やアレルギーが起きたことはなかったか、他にどんなお薬を服用しているかなど、心配が無いことを確認して調剤している。
万が一処方箋に誤りがあって、医療事故に繋がった場合、薬剤師にも責任が問われるからだ。一度聞いたことは薬局で薬歴として管理しておき、次回の調剤に役立てるという。
建前はきっとこんな感じだろう。
医師も自分がわかっている薬しか処方しない
いろいろな病院にかかっていると、医師により処方する薬の好みがあることが判ってくる。これは、医師が副作用などの心配がない自身が扱いなれている薬を処方するからだ。
漢方しか処方しない先生、抗生剤は処方しない先生など、いろんなタイプの先生がいる。
大体は、同じ医師にかかるのだから同じような薬を処方される。パリエーションも3タイプぐらいだ。だから副作用の心配もせずに安心して同じ医師のもとに通う。
薬局から処方箋逆指示の強者も
だが、薬局の中には強者がいる。
処方箋が入ると患者には一言も言わず病院の受付に電話をかけ、
ジェネリック医薬品で同じ成分なので処方箋を変えていいですね。
と逆指示をするのだ。
ある時、風邪でいつもの医師にかかり、いつも抗生剤を処方してもらった。
薬局で薬を受け取る時に薬剤師が言う。
ジェネリックも成分は一緒ですから。
そんなことは判ってるよ。
と思って帰宅したのだが、帰ってから薬剤師の言葉の意味がわかる。
処方された薬をジェネリックに勝手に変えられていたのだった。
医師には、ジェネリックだと副作用があるからと言って処方してもらっている抗生剤だったのに。
余計なお世話である。
ジェネリックで副作用があった身にとっては深刻な問題である。
まとめ
薬局で、スーパーの「レジ袋ください。」システムと同じように、
「いつもの処方なので説明不要です。」
「ジェネリック医薬品はダメです。」
「薬の管理は自分で出来ます。」
などのカードが置いてあり、処方箋と一緒に出すシステムに変えてくれないだろうか。
そうすれば私の薬局ジプシーの旅が終わる。