File1 物損事故でもその場で警察を呼ばないと当て逃げになる

「県内では、物損事故と人身事故を合わせて1日に200件程度の交通事故が起きている。」と習ったのが昨日の免許更新講習時のことである。そして、そのあくる日に社有車で物損事故にあう。事故は軽微な物損事故だった。それでも、その場で警察へ通報しておかないと当て逃げとなり取り返しのつかないことになる。

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事故は軽微な物損事故

事故の状況はこうだ。

相手車両が駅のロータリーで私の前を走っている。右のウインカーを出して右折するのかと思いきや、突然後退を始める。こちらは不審な動きを察知して停止する。

相手の車はそのままバックしてくる。クラクションを鳴らすが停止せず私の車の右前面に接触、スピートは出てなかったので大きな衝突ではなかったが、私の車が振動で揺れた。

相手は、ぶつかって一旦ブレーキを踏むが、車から降りてくることもせず左前方に前進、さらに右側の有料パーキングにバック駐車する程の余裕である。そして、車を入れ終わって30秒程経っても出てくる気配が全くない。

きっと、私がこのまま行ってしまえばラッキーとでも思っているのだろう。

逃げられてはと思い駐車中の車の前方を私の車で塞ぐと、やっとのことで相手が降りてきた。加害者は不機嫌そうにこちらを見ている。きっと、相手が女だと思ってなめているのだろう。

60代後半、富田議員のように「このハゲ~」とでも言いたくなる男性だ。

お互いさまはNGワード

相手 「どうしました?何かありましたか?」

  「バックで私の車にぶつかったでしょう?」

相手 「ぶつかっていません。」

  「ぶつかりました。」

相手 「出てきて見てみ、何もなってないから。」

  「・・・」

心の声 「このハゲー、違うだろう!」

私の車の前方を見るが、凹みなどの大きな痕はない。

相手の車の後方も見るが、凹みなどの大きな痕はない。だが、車のあらゆる箇所にぶつけた跡がある。

もしかして、

「いろんな所でぶつけている常習犯かもしれない。」

そう思った時に相手が切り出した。

相手 「ぶつかってませんね。こんなことはお互いさまだから。」

心の声「お互いさまだって!?何言ってんの?」

  「いや、私は停止しているのにあなたの車がぶつかりました。」

相手 「傷もないしぶつかってないですよ。」

  「いいえ、ぶつかってます。」

心の声「このハゲー、ぶつかっただろう!」

このような理不尽なことを言う相手は何をするかわからない。

強気に出られて怖かったが、なんとか相手の住所と名前を聞いた。

そして相手は、

「こういうことはお互いさまですから。」

という言葉を残して立ち去っていった。

事故解決にはドライブレコーダーが必須

腑に落ちない私は、仕事を終えて帰社してから上司に事情を説明する。

上司 「わかった。ドライブレコーダーの映像を見てみよう。」

ドライブレコーダーの映像を確認すると、上記の状況どおりの映像が映っている。そして、ぶつけられた車を見る。

上司 「こちらの車は停止している所にバックでぶつかってきている。交差点の事故とは違い、相手が10こちらが0の物損事故だ。修理するにあたって、事故報告書が必要となるから、今からでも警察に電話して届け出をしてください。そして、加害車両は通報の義務があるから、警察に事故報告をしていないとすれば、やっかいなことになるかもね。ドライブレコーダーで見るとぶつかった瞬間に大きく動画がゆれているね。ちょっとぶつかったとしても、車同士がぶつかっているのだから何もないことはないんだよ。ほら、バンパーが少しずれているでしょ。最近のバンパーは衝撃を吸収するように出来ているし、センサーが搭載されているからね。しっかり整備で見てもらわないといけないよ。」

軽微な物損事故が当て逃げ事故に

そう言われた私は、すぐに管轄の警察署に電話して事情を伝えると、今からでもすぐに来て車を見せて欲しいとのこと。すでに23時をまわっていたが、「わかりました」とすぐに警察署に駆け付ける。

警察官にドライブレコーダーの映像を見てもらうと、全ての状況を把握してくれた。

警察 「一目瞭然だね。こういう事故はなかなかないよ。これは面白いね。」

2人の警察官が何回も繰り返して見ている。

警察 「ここら辺だな。」

ペンライトで車を照らすと、日中にはわからなかった衝突痕がはっきりと見えるではないか。

警察官がこちらを見てニコッと笑う。

警察 「ここにぶつかった痕がありますね。」

  「あれ?日中は見えなかったのに。」

警察 「これは特殊なライトだから衝突箇所がはっきり見えるんだよ。」

  「へぇ~、すごい~。」

警察 「僕たち何年この仕事をやっていると思っているんですか?」

と、笑う。

警察 「でも、ドライブレコーダーが付いていてよかったですね。最近はドラレコが付いている車が増えてきたから事故処理も楽になってきたんだよ。ドラレコが無いと、ぶつかったぶつかっていないの押し問答になることも多いけど、これを見れば一目瞭然だね。相手のナンバーもはっきりと映っているし、周りの車も映っているので目撃証言もとれる。相手は「お互いさま」だと言ったんだね。それは、ぶつかったのを認識してるってことだね。この状況でその言葉はNGワードなんだ。脅迫と言われてもしょうがないんだよ。」

  「するとどうなるんですか?」

警察 「それはね、罪が重くなるよ。加害者は事故を通報する義務があるからね。加害者が報告しないと刑事罰の対象になり、当て逃げとして私たちが捜査する。」

  「えっ、当て逃げになるんですか?」

警察 「そう、いくら連絡先を交換していても加害者が警察に事故の届け出をしないとダメなんだよ。もう24時だね。今日中に加害者からの届け出はなさそうだな。」

警察 「今から加害者に電話をしてみます。そして、署に来てもらって相手の車の傷を確認して電話します。それでも、相手がぶつかっていないと言い張るのであれば、ドライブレコーダーの映像をもって来てくれるかな?、その時は電話するから。もし相手からそちらに電話があって駄々をこねるのであれば、警察に言ってくださいね。」

  「わかりました、ありがとうございます。」

警察 「でも、この状況ではすぐに110番しないといけませんよ。きっと、相手が怖かったのかもしれないけど、今後は110番してくださいね。」

被害者の私には優しい対応だ。

そして、無事に事故の届を終えたのだった。

加害者の警察への対応によっては「当て逃げ」は免れられない。

事故に遭った場合は、その場で110番

当て逃げの加害者の主な責任は危険防止等処置義務違反に対する減点5点という行政処分及び道交法上の刑事処分(1年以下の懲役又は10万円以下の罰金)がある。また、当て逃げの加害者は、被害者に対して車両等の補償を行う民事上の責任もある。

刑事処分は、当て逃げは違反ではなく犯罪なので、警官が加害者から聴取した内容は事件調書として検察庁に送検されることになる。また、被害者から修理費用や代車費用の賠償費用を請求されることは覚悟しておいた方が良いだろう。

もしも、加害者がその場で通報していれば、軽微な物損事故として扱われ、当然のことながら修理費用や代車費用は請求されるであろうが刑事処分には問われない。たとえ連絡先の交換を行ったというだけではだめなのである。

相手の車の修理には、任意保険を使うか自腹を切るかしかない。この支払いを怠った場合は、民事裁判を請求されることがある。裁判になって泥沼化するよりは、精神誠意に対応し己の非を認めて早めに解決するほうが良いはずだ。

事故を起こした場合、事故に遭った場合は、その場で110番すること。当て逃げ扱いにならないためにも肝に銘じた方が良い。物損事故でも当て逃げで書類送検されている例はあるのだ。そして、もし当初は物損事故と思われても、身体に痛みを訴えて人身事故の届け出に変更された場合は、ひき逃げ扱いとして捜査されることになる。

この軽微な物損事故から始まった当て逃げ事故は簡単には決着しなかったのである。

「File2 交通事故での責任が重くなってしまう事故後の対応」につづく。

前回は、物損事故で現場での加害者とのやり取りと、警察への事故届の様子を書いた。軽微な物損事故から当て...

今日の学び

「ドライブレコーダーは交通事故による被害者の負担を軽減してくれる。

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