人生の最後に~となりのベッドでの出来事

この記事は約2分で読めます。

南国気分

救急車に同伴したのは愛人だった

昔、夜中に発作を起こして救急病院へ行ったことがある。

病室で点滴をうけながら寝ていると救急車が到着した。突然、慌ただしい雰囲気につつまれ、看護師が小走りに行ったり来たりしている。

どうやら、その患者さんは同じ病室のとなりのベッドに運び込まれたみたいだ。

救急車で一緒に来たであろう女性が、看護師に話しているのが聞こえる。

すみません、私は愛人で本妻さんに連絡したので、きっとすぐ来られると思いますから帰っていいですか?

と言ってから、逃げるように部屋から出て行った。

みのり
みのり

まあ、よくあることよね。

私はベッドの上で点滴をうけながらうとうとしていた。そして、10分くらい経った頃に突然大きな声が聞こえて目が覚める。

あんた!起きなさいよコラ!

死んでんじゃないわよ!

最後まで愛人といやがって!

言いたい事沢山あるんだから!

せめて聞いてから死ねバカ男!

あまりの剣幕に、私は点滴していながらもビックリして起き上がってしまった。

するとご婦人はこちらを見て、

騒がしくてごめんなさいね。

と一言。

流石本妻、いたって冷静である。

最期に罵られながら息を引き取るのだけは避けたいと思うのか、本妻の迫力にびびったのか、旦那さんは一命をとりとめた。

みのり
みのり

あの人にとっては、あのまま愛人に看取ってもらえれば嬉しかったのかもしれないなぁ。

倒れた時には愛人がいた、でも意識が戻ったときには本妻がいる。

ショックで心臓が止まらなければ良いが。

といらぬ心配をしたのだった。

まとめ

「人生の最後に同伴してはいけないが、同伴していた方が幸せな場合もある。」