文科省は、2009年に「小中学校はスマホ持ち込みを原則禁止」「高校はスマホの校内での使用を禁止」という指針を出した。
それから10年。児童・生徒のスマホの所持率が増加するなどの状況が変化していることや自然災害発生時の安否確認など保護者からの要望などもあり、2019年2月19日、文科省は「公立の小中学校に通う子供が学校に携帯電話やスマートフォンを持ち込むことを原則禁止としてきた指針」について見直すと表明した。
高校生の学校へのスマホ持ち込み率は9割
日常生活の中では、小学生から高校生までスマホを使っているのは当たり前で、生活の一部になっている。小学校や中学校でも無許可でのスマホの持ち込み率は相当あるだろう。
すでに高校生では学校へのスマホ持ち込み率は9割になる。しかしスマホを学校の中で携帯すると、子供たちはSNSやゲームに夢中になり勉強がおろそかになるとの意見から、授業中は電源を切るという学校や、登校したら鍵付きのロッカーで先生が預かり下校時に返すというルールになっている高校が多い。
もし学校の中でスマホを先生に渡さず隠し持っていることが見つかれば、保護者呼び出しやスマホの解約までも強いられるという。また、スマホは持ち込みが許可されているが、スマートウォッチやタブレットは許可されていない。
スマホの利用を制限するルール
高校の入学説明会ではプロバイダーを呼び、親へ「SNSは使わせないように」「電子マネーは使わせないように」「Tiktakは使わないように」などのルールを延々と説明される。
確かに、SNSへの不適切な動画アップロードやSNSによるいじめなどの問題もあるが、一部のモラルが欠如した者であり、そもそも悪い子供はルールがあっても守らない。
それをクローズアップして全体のルールが決まるというのはどうなのだろう。今の時代スマホ使うことを制限するルールが必要なのか。
スマホの利用を制限するのではなく、これからの時代スマホなどをどのように使うべきかをしっかりと教えることが必要だ。学校を卒業してルールから解放された後のことは知らないというのではなく、学校を卒業してもSNSへの不適切な動画アップロードなどをおこさない倫理感を持った子供に育てることだ大事だと思う。
学校の校則も同様であるが、前髪が目にかからないようにとか、髪が耳にかからないようになどの学生ルールが社会に出て何に役立つのか。制服、ネクタイ、シャツ、靴下、靴、カバンを統一し、個性を隠し学生らしさを求めることが何に役立つのか。喜ぶのは制服業の利権にあやかる業者だけだろう。
社会に出るとルールが変わるというのではなく、学校でも社会と同じルールの中で社会人としてやってはいけないことを教育することが必要なのではないのだろうか。
スマホは電話であり小さなコンピュータである
今の校長や教頭の世代は、コンピューターが普及し始めた時代でスマホはおろかパソコンも使えない人もいる。
そのような人にとってはスマホなどない事が当たり前で、これからどのように時代が変わってゆくかも興味がないことだろう。そんなコンピュータに縁が薄い世代がルールを決めるのだ。
今の子供達が大人になったとき、彼らはスマホを学校で使ってはいけないというルールを存続させているだろうか。そんな将来を見越して教育現場でのスマホの在り方を考えて欲しいものだ。
これからの子供たちに必要なことは、コンピュータを正しい目的でいかに使いこなしてゆくかということだ。
それを教育の現場で教えないで、制限するルールを作るということは時代に逆行しているとしか思えない。
まとめ
ICT教育とよく言われるが日本の学校は大きく遅れており、いまだに多くの学校で黒板とノートで授業が行われている。ICT教育を実践するためには、電子黒板、タブレット、PC、スマホが必要だ。これがなくてはプログラミング教育も、アクティブラーニングもできない。
いかにスマホを教育現場に取り入れて活用してゆくかということを考えないといけない時期なのではないだろうか。
そしてスマホだけではない。スマホ、タブレット、コンピュータを正しい目的で使いこなすということを今の子供たちは早くから身につけないといけないと思うのだ。
日本でも一部の私立校や一部の県ではICT教育が進んでいる。都立高校では2020年からスマホを解禁し、個人のスマホを授業で活用するという。
社会全体が、早くそのような動きに変わって欲しい。
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