交通事故刑事裁判 第4回公判 判決

刑事裁判

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自動車運転過失傷害事件 第4回公判 判決

(判事)それでは開廷致します、被告人は証言台の所に立ってください。

(判事)○○被告人ですね。

(被告人)はい。

(判事)それでは、被告人に対する自動車運転過失傷害事件について判決を言い渡します。

主文

「被告人を禁固1年6月に処する。この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。」

(判事)主文は以上です、わかりますかね?

(被告人)はい。

(判事)禁固1年6月、執行猶予4年という内容です。

以下、理由について述べてゆきます。

裁判所が認定した犯罪事実

被告人は平成24年3月7日 午前7時35分頃、普通乗用自動車を運転して交通整理の行われていない交差点に差し掛かり、直進するにあたり、同交差点は住宅街にあって、左右の見通しが困難で、かつその出口には横断歩道が設けられていたのであるから、同横断歩道を横断しようとする自転車等が自車前方等に現れることに備え、あらかじめ減速徐行して、同横断歩道を横断する自転車等の有無という、その安全を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのに、交通閑散に気を許してこれを怠り、減速徐行せず、同横断歩道を横断する自転車等の有無および安全を充分に確認しないまま、漫然と時速40キロメートル程度で進行した過失により、折から同横断歩道に向けて進行中のA子さん当時19歳の運転の自転車を左約11.2mの位置に認めて急制動の処置を講じたものの間に合わず、横断を開始した同自転車右側部に自車左前部を衝突させて、同自転車もろともA子さんを路上に転倒させ、よって、A子さんに、入院加療約10カ月間を要し、脳外傷による高次脳機能障害、左上肢機能障害、および体幹機能障害の後遺症が残るみこみの、外傷性くも膜下出血等の傷害を負わせたものである。

以上が、裁判所が認定した犯罪事実、すなわち自動車運転過失傷害ということになります、わかりますかね?

この事実を、この法廷で取り調べた証拠によって認めたわけです、その上で法令を適用して先程の主文にしたわけですけれども、要件について述べて行きます。

本件が、先程認定した通り、住宅街にある左右の見通しが困難な交差点において発生した、自動車対自転車、しかも、自転車は衝突時横断歩道上を進行中であった事案であることからすれば、被告人の過失責任はもとより軽視できないのである。

若くして身体主要部に重症を負い重篤な被害にさいなまれることとなった被害者の心情をはじめ、被害者を懸命に支援する両親の心情を察しても、感情には厳しいものがある、というべきです。

その上で、被告人が事故の過失責任を認めて、反省と謝罪の弁を述べるに至っていること、被告人には交通関係を含め前科が無い、こういった諸情状を踏まえ、共通事案との量刑の均衡も考慮して、当裁判所は被告人を主文の刑に処するも、執行は4年間猶予することとしたが、当公判に至るまでの被告人の対応を鑑み、あえて付言するに、被告人は猶予期間等を通じ、事故の過失責任を改めて直視し、事故と被害者のおかれた立場の相違に想いをいたし、これまでの対応いたらざるを省みて、自分も被害者であると、こういった想いに逃避することなく、謝罪の弁を深めるべきである。

判決の理由は以上ということになります。

まず、有罪の判決ですから、不服があれば控訴という手続きをすることができます。

その場合には14日以内に○○高等裁判所に宛てた控訴状をこの裁判所に出すという手続きが必要となりますので言っておきます。

それからですね、先程も少し触れましたけれども、まあ、事故そのものも、もちろん人を傷つけるわけですけれども、事故後のですね、対応というものが、また人を傷つける、今回の事案はですね、まさに、そのことを考えさせられる事案であるということになります。

この法廷を通じてですね、明らかになった被害者の方の無念、それから家族の方の無念、といったものを改めてあなたの心に刻み込むべきだと、思っています。

それでは、判決は以上です。

判決の重み

通常は、執行猶予が付く場合は量刑に対して2倍となることが多い。

今回の判決では、「禁固1年6月 執行猶予4年」の判決であり、被告の反省に対しての疑問と被告の公判態度を鑑み、執行猶予が1年プラスされた格好である。

実刑判決にはならなかったものの、実刑を考えないといけないほどのさまざまな被告の行動が考慮された結果であり、重い判決と言って良いだろう。

今日の学び

「初犯事件では、被害者への対応がどんなに醜くても任意保険加入と謝罪の言葉を法廷で述べることで執行猶予を得られる」

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