保険金を狙うクレクレ親族

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南国気分

 

生命保険をかけていたことがトラブルの原因に

「働き始めで給料がまだ少ないだろう」

B子は、子供が就職することになったお祝いに生命保険をかけてあげた。

給料が増えた時に自分で払っていけば良いと思っていた。

ある日、B子の子供が交通事故に遭った。

かなりひどい状態だったらしく、仕事も休んで付き添い、リハビリするなど、一生懸命に頑張っていた。

当然、治療費は加害者から出るものと思っていたが、

「少しでも治してあげたくて、損害保険のきかない先進治療などは自腹で払った」

らしい。

B子は、事故によって仕事も満足にできず、生活もかなり苦しい状態に追い詰められていった。

治療費は、生命保険のお金で何とかやりくりしていたと言うが、それでも交通事故にかかる出費は、生命保険から出た金額の何倍もかかったらしい。

交通事故による怪我の状態は深刻で、身体と精神に重い後遺症が残った。

大変な時期を過ぎた所で遠い親戚が登場

子供が少し回復してきた頃になって、生まれてから数回しか会ったことが無い遠い親戚の3人組が頻繁に子供に会いにくるようになった。

子供が外出したいと言えば、いくらでも親の代わりをやってあげると喜んで連れ出す毎日。

この遠い親戚が、

これだけの交通事故だから、保険金が沢山入ってくるはず!

親は、あなたの保険金を使って遊んでいる。

と、根も葉もないこと子供に吹き込んでいたことを、B子は後にLINEの履歴から知ることになる。

他にも、

20年間、お母さんはあなたに魔法をかけてたの。持病という武器で、あなたを操っていたのよ。

なんて、訳の分からないことばっかり言われてたらしい。

B子の子供は、

私のお金なのにお母さんに取られた、そんなお母さんなどいらない!、それを教えてくれた親戚がいてくれればいい!

と親戚が言うことを信じ、それきり親と音信不通になった。

20歳の責任

 

みのり
みのり

さみしくない?心配してないの?

と聞くと、B子は重い口を開いてくれた。

事故の時は未成年だったけど、もう20歳になったんだよね。

20歳過ぎるとね、法律で本人の意思が一番になるから、本人の意思に反することは良かれと思っても親でも出来ないんだよ。

最初はね、障害が残ることで、まだ20歳の将来をなんとか考えてあげないといけない、と思っていろいろやってたんだけどさ、今は、親の言うことより、親戚を信じてるから仕方がないのよ。

おまけに、弁護士も上手く手玉に取ってるからさ、やってられないわよ。

今は、その親戚をママって呼んでるからね。もう私の役目は、終わったの。

今までは、あの子の人生がこれから先困らないようにって、でも、自分も歳とって老後の生活もあるし、いったいどうすればいいのかって、すごく悩んでたから、そこまでされると、逆に肩の荷がおりて、楽になったと思うことにした。

と話してくれた。

B子が最後に、

他人がその荷物全部持っていってくれたようなもの。

って言ったけど、多分、私に話すまでには辛く悲しい時間もあったと思う。

B子は、人としてひとまわり大きくなり、全てを受け入れてているようだった。

事故の加害者は、家族がバラバラになるって聞くけれど、事故にあった家族も、バラバラになってしまうんだと思った。

B子の子供の将来は、

「保険金目当てに群がってくる親戚面した強欲な奴らによって決まるのだ。」

と思うと虚しくなるが自分で選んだ道だ。

親ほどの無償の愛を注いでもらえることもなく、これからは他人の中で生きていく事を選んだB子の子供が、たとえ自分で選んだのがイバラの道だったと思う日が来たとしても、B子はもう絶対に心を開かないだろう。

まとめ

「遠い親戚ほどお金のにおいに敏感である。」